
14日午後5時10分ごろ、東京都千代田区霞が関1丁目の路上で、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志・党首(57)が「切りつけられた」と119番通報があった。立花氏は頭や首付近を切られたが、命に別条はないという。立花氏を襲った男はその場で確保され、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。
警視庁によると、男は住居・職業ともに不詳の宮西詩音容疑者(30)。経済産業省前の路上で、なたのような刃物(刃渡り約16センチメートル)で立花氏を切りつけて殺害しようとした疑いがある。容疑を認め、「他の議員を自殺に追い込むようなやつだからやった」と話している。政治団体への所属は確認されておらず、立花氏との面識もないとみられるという。
現場周辺では、「財務省解体」などを求めるデモが行われていた。
襲われた場面を目撃した朝日新聞記者によると、立花氏は支援者との写真撮影中だった。突然両手を振り上げた男が立花氏に飛びかかり、立花氏は後ろに突き飛ばされた。
ボランティアで立花氏の手伝いをしていた男性(53)によると、確保された男は抵抗せず、「あー失敗しちゃった」とつぶやいたという。「もし首を切りつけられていたら危なかった。大事に至らなくて良かった」と話した。
50代の男性によると、地面には長さ20センチほどのなたのようなものが落ちていたという。男性は「男は抵抗する様子もなかった」と話した。
立花氏は昨秋の兵庫県知事選で立候補しながら、斎藤元彦氏(現知事)を応援する「2馬力選挙」が波紋を呼んだ。16日投開票の千葉県知事選に立候補している。
【動画】財務省近くで襲われた立花孝志氏